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VRシミュレーション機器【HMDとスクリーン表示システム】

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業界・トレンドノウハウ・ハウツー

2022/01/27

VRシミュレーション機器【HMDとスクリーン表示システム】
写真は、複雑な航空機設計や、宇宙体験も可能な3Dシミュレーション
提供:ZAL GmbH(ドイツ・応用航空技術センター)

VRにおける表示手法

VR(仮想現実)をつうじて私たちは、「あたかも本物であるかのように感じられる、限りなく現実に近い」体験ができます。
アトラクションや映像作品といった、すでにおなじみのジャンル以外にも、近年では、製造業における製品レビューや、建築業では注文住宅の完成後室内を設計段階で確認するなど、産業分野においても幅広く活用されるようになってきました。
これらVR体験は、シミュレーション機器が映しだす仮想空間によって可能となります。
現在、VRにおける表示手法の主流といえるのが「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」と「スクリーン表示システム」です。
今回は、それぞれについて説明します。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)

一般的にVRといわれて連想するのが、HMDやゴーグルだと思います。
これらは、メガネのレンズに相当する部分がディスプレイになっていて、ディスプレイの液晶を右目と左目に区切って映像を分けることで、映像の立体視が可能になります。
顔の向きに合わせて映像を変化させて表示する技術をベースに、現実と同じような立体的空間を利用者に提供します。
後述するスクリーン表示システムと比較して、安価で取りあつかいやすいことから、ゲームやアトラクションなどで目にするケースが増えています。

スクリーン表示システム

1台、または複数台のプロジェクターを使用し、正面、床面、左右面などのスクリーン上にVR映像を表示します。
立体視は、3D液晶シャッターメガネによる両眼視差を利用します。
視覚すべてを映像で覆われるので、深い没入感と立体的なVR空間を体験できます。
また、ヘッドトラッキング機能で利用者の視点を検知し、映像を変化させることにより、VR映像が目の前にあるように感じさせることができます。

スクリーン表示システムの拡張性

Christieには、最新の 3D 対応DLP プロジェクター、高精度ヘッドトラッキング装置を組み合わせて、「3D 液晶シャッターメガネ」を装着するだけでVR環境に没入できる「HoloStage(ホロステージ)」というソリューションがあります。
これは、数ある既存の VR システムがもつ長所を1つに集約させたもので、
-広い視野角と深い没入感
-ウォール型による多人数でのレビュー性能
-4K 解像度プロジェクターがもたらす高精細映像
が特長です。
さらに、Mirage Pro オプションと組み合わせることで、同時提供できる4枚の異なる映像を応用し、『2名同時、同一空間で、それぞれのメガネによるヘッドトラッキング視点』による没入型 3D VR 体験を実現させることもできます。

産業界におけるVRの将来性

製造業や建築分野では、デザイン部門、設計・生産技術部門、解析シミュレーション部門での設計・デザインレビューや、科学計算データの可視化などに有効なシステムです。
なかでも、科学計算データの可視化については、医学、薬学、流体力学、土木工学、 地球物理学、天文学といったさまざまな分野で、2 次元データでは見つけにくい現象をVRシステムの中で発見するために、積極活用が見込まれます。
具体的には、以下が挙げられます。
-車や船、航空機などのデザイン検討
-自動車運転、航空機や船舶の操縦シミュレーション
-建築物の実寸大表示、プラントや大型施設の設計・ウォークスルー検証などのシミュレーション
-大気や海流、温暖化など地球現象の可視化シミュレーション、分析
-地震、津波、台風など、災害発生時の防災シミュレーション
-磁場、ゲノムなど肉眼では見えない事象の可視化
-医療分野におけるデータの可視化(CTスキャンデータなど)
-人間工学での設計、解析といった分野への応用
また、導入することで、以下のメリットも生まれます。
-トータルコストの削減
-開発工程の効率化、デザイン期間の短縮
-組織を横断する部門間のコミュニケーション強化

産業界でのVR事例

Christieは、プロジェクターによるスクリーン表示システムで、VRソリューションを提供しています。
次回以降は、いくつかの分野ごとでのVR活用について、事例もまじえて説明していきます。
Christieの導入事例(日本語)一覧