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VR技術と似ている5つの用語の違いと意味【AR、XR、MR、SR】

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2021/02/24

VR技術と似ている5つの用語の違いと意味【AR、XR、MR、SR】
最近、VR(仮想現実)という言葉を頻繁に目にするようになったと感じている人も少なくないのではないでしょうか。VRの意味はなんとなく分かる人でも、ARやMR、SRといった類似技術との違いを明確に理解している人はそれほど多くありません。今回はそれぞれの概要と違いを説明するので、ぜひこの機会に区別できるように理解を深めてみましょう。

VR・AR・MR・SR・XRの違い一覧

 まずは次世代の最先端技術として期待されているVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)、XR(様々なリアリティ体験)の特徴と利用する端末をまとめたので確認してください。

名称
代表的な利用端末
 特長
 VR(仮想現実)  ゴーグル・シミュレーター    
 現実さながらの仮想空間をつくり出す
 AR(拡張現実)  スマートフォン  現実に仮想のデータなどを上書き、追加する
 MR(複合現実)  ヘッドセット  現実に仮想の物体(ホログラム)をつくり出す
 SR(代替現実)  ヘッドセット  過去の映像をあたかも現在の出来事のように融合する     
 XR(様々なリアリティ体験)   
 ―  VR、AR、MR、SRの総称
大まかな違いは上記ですが、まだそれぞれの明確な違いが分からない人も少なくないと思います。それぞれの詳細を以下で説明するので確認してください。

VR(仮想現実)の意味と概要

VR(バーチャルリアリティ)は「仮想現実」という意味です。具体的には専用の端末を利用することで、仮想空間をあたかも現実のように体感できる技術のことを指します。その最も代表的な端末がVRゴーグルで、ゲームや映像作品などを360度で体感できるため没入感が非常に高まるとしてエンタテインメントの新しい技術として活用されることが増えています。そのほか、住宅販売や観光、医療、教育など多分野にわたって活用されています。

AR(拡張現実)の意味と概要

VRと並んで、近年、急速に技術が進歩しているのがAR(オーグメンテッド・リアリティ)です。「拡張現実」という意味のARは、端末を用いて現実世界に情報や仮想空間を追加する技術です。しばしばVRと混同されますが、ゼロから仮想空間を作り出すのではなく現実に情報を加えるなどして「拡張」することがARの本質と理解してください。
近年、AR技術を利用したスマートフォンのアプリ開発が活発で、位置情報ゲームや自動加工写真アプリなど種類は多岐にわたります。また、エンタテインメント以外でも医療分野などVRと同様に幅広いシーンで普及し始めています。

MR(複合現実)の意味と概要

VR、ARと比べると理解が少し難しいのがMR(ミックスリアリティ)です。MRは複合現実という意味で、VRとARを掛け合わせたような技術となります。具体的には、現実世界に仮想現実である機械などのホログラムを作り出して、いろいろな角度で確認できるほか、触れることもできるのです。このように、まるで「そこにある」ように体感できる技術いえるでしょう。この技術を用いれば、実物大の歩く恐竜を展示できるほか、実際のスケール感の製品・建築物を確認しながら工程を進められると考えられています。まるでSF映画のようですが、一部は既に製品化されており、今後の発展が期待されている技術です。現実世界にデジタル情報を加えるARとの違いを混同してしまうケースが多いので、両者の違いを明確にしておきましょう。

SR(代替現実)の意味と概要

SR(サブシティショナルリアリティ)は「代替現実」という意味で、端的に説明すると「過去に起きたことをまるで現在のように再現する」という技術です。VR、AR、MRと比べるとそれほど技術開発は進んでいないものの、理化学研究所がSR技術を利用したパフォーマンスを公開するなど今後に期待されています。
SR技術はヘッドマウントディスプレイを利用して体感し、映像のほかにも音響なども活用して利用者に現実と過去(仮想)の境目をあいまいにすることが、SRの大きな目的といえるでしょう。他の技術と比べると、よりリアリティのある体験ができることがSRの特徴です。

XR(クロスリアリティ)の意味と概要

これまで説明したVR、AR、MR、SRのすべて仮想空間技術・空間拡張技術の総称を「クロスリアリティ」といいます。XRは他の用語と比べると新しく生まれた言葉で、技術の進歩に伴って徐々に曖昧になりつつあるVR、AR、MR、SRの定義を「様々なリアリティ体験」とまとめることで、より汎用性を高い表現に統一する狙いがあります。個別の技術の進化はもちろん、5G等が普及して大容量のデータは素早く送受信できる環境が整うことで、それぞれの特徴を活かした体験の発展も期待されています。。

それぞれの違いを明確化して正しい活用方法を

今回紹介した技術が発展すれば、業界を問わず導入・活用しなければならないケースも増えると考えられます。新しい技術はある程度、知識や理解を深めておかなければ、活用方法の取得に時間がかかってしまうなどのリスクも存在します。VR、AR、MR、SR、XRの違いを明確化は最新技術や機器を学ぶうえで基礎的な知識なので、しっかりと理解しておくことをおすすめします。