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赤外線LEDの用途や種類について、監視に関わる基礎知識

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業界・トレンド

2020/10/02

赤外線LEDの用途や種類について、監視に関わる基礎知識
セキュリティ対策用の監視カメラに使われている赤外線LEDは、他にも幅広い用途に使われています。 私たちの日常生活の中で、赤外線LEDが役に立っているシーンは意外とたくさんあるのですが、赤外線LEDの役割についてはあまりよく知らない人もいるでしょう。

ここでは赤外線LEDを発光ダイオードや紫外線LEDと比較しながら説明し、監視カメラ以外の用途について紹介していきます。

赤外線LEDと発光ダイオード、紫外線LEDの違いとは

赤外線LEDは発光ダイオードの一種です。発光ダイオードは「Light Emitting Diode」のその頭文字を取ってLEDと呼ばれています。 発光ダイオードは種類により波長が異なりますが、赤外線LEDの波長は700~1500nmとされています。 人間の目で見ることができる波長の範囲は、450nm~650nm程度であるため、赤外線を肉眼で見て確認することはできません。 また、人間の目で見ることができる光のうち波長が長いものは赤色です。 赤色よりもさらに波長が長く、見えない光であることから赤外線という名称が付いています。

赤外線LEDはデータの送受信に利用できるのが大きな特徴です。テレビなどのリモコンが、赤外線LEDが使われている代表的で分かりやすい例として挙げられます。 テレビのリモコンのボタンを押すと赤外線LEDが発射されてテレビを操作できますが、その赤外線LEDを見ることはできません。 また、人間の目で見える範囲の波長の発光ダイオードが使われている代表例はLEDライトなどの照明器具です。 赤外線LEDは波長が長すぎて人間の目に見えませんが、逆に波長が短すぎて人間の目に見えない発光ダイオードは紫外線LEDです。

波長により用途は異なりますが、紙幣識別用の光源や空気清浄機用光源などとして使用されています。波長の短い紫外線LEDは殺菌効果がありますが、大量に浴びてしまったり、特定の条件下では人体に良くない影響があるともされています。

自動車、医療、センサーなど。赤外線LEDの幅広い用途

赤外線LEDは目に見えないため分かりづらいですが、私たちの身近で幅広い用途に使われています。

自動車

自動車の中には距離センサーが備え付けられているものもありますが、その距離センサーに赤外線LEDが使われています。 人間の目に見えない光でも障害物に当たれば遮られるでしょう。そのため、赤外線LEDを発射することで、進行方向に障害物があるかどうかが分かります。
障害物の有無だけでなく障害物までの距離も赤外線LEDで感知可能です。これにより、車庫入れが苦手な人でも車を擦ったりぶつけたりすることなく駐車できます。

医療

赤外線LEDは障害物にぶつかると遮られるだけでなく、一部が透過していきます。 そして人体に対する透過性が高いのが赤外線LEDの特徴です。 この特徴が医療技術にも活かされています。 医療の分野では病気の発見や検査などの目的で、人体の内部を調べることがよくあるでしょう。 その際に、赤外線LEDを利用した分光センサーが応用されています。
赤外線LEDの受光素子を備えている医療機器もあり、体内からの錯乱光を検出して血液の成分を調べることができます。

センサー

赤外線LEDは、人間の目に見えないという性質から、センサーとして利用されることが多いです。 特にNDIR方式のガスセンシングにおいて赤外線LEDが最適とされています。
以前はNDIR方式のCO2センサーにはタングステン フィラメント電球が多く使われていましたが、発光制御が遅いのが難点でした。 しかし、タングステン フェラメント電球の代わりに赤外線LEDを用いることで高速での発光制御が実現しました。

監視装置の精度を高める赤外線LED投光器

監視カメラにも赤外線LEDがよく使われています。 暗闇の中で使われる監視カメラの多くは、赤外線LEDで周囲を照らす仕組みです。 人間の目には見えませんが、光で照らされているため、カメラで撮影できるようになります。 しかし、赤外線カメラは距離が離れてしまうと撮影できないのがデメリットです。
赤外線カメラに付いている赤外線LEDランプは、あまり遠くには届かず、ごく近い距離の対象物しか映りません。 そこで、赤外線LED投光器を使用する方法があります。赤外線LED投光器は、高出力の赤外線LEDを照射する道具です。 赤外線カメラと併用することで、赤外線カメラの弱点である遠くを撮影できない点を補い、暗闇の中で遠くまではっきりと撮影できます。 例えば、不法投棄が跡を絶たない河川敷などで、監視カメラを設置する際に役立つでしょう。
 広い河川敷でも少ない監視カメラで監視できます。ランニングコストが気になるところですが、ウシオライティングの「監視用LED投光器 赤外線モデル」なら、消費電力は21Wです。 耐久性に優れており、屋外で長期使用にも耐えられる作りになっています。不法投棄に悩むなら、赤外線カメラと赤外線LED投光器を導入してみてはいかがでしょうか。

今後ますます用途拡大が期待される赤外線LED

赤外線LEDは目で見て確認することができないため気づきにくいですが、身近でさまざまなシーンに利用されています。 データの送受信ができることや、人体への透過性が高いことなどから応用の幅もますます拡大しています。

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