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金型の寿命が決まる要因とメンテナンス・修理方法を解説

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2020/09/01

金型の寿命が決まる要因とメンテナンス・修理方法を解説
金型の種類は多種多様で、それぞれ性質は異なりますが必ず寿命があることは共通しています。ただ、その寿命も金型の使用環境や素材などによって大きな差があります。 今回は、金型の寿命を決める要素と環境、メンテナンス方法、金型にトラブルが発生した際の修理方法について説明していきます。

金型の寿命

金型の寿命は、基本的には「ショット数」と「金型の材質」が大きく関わっています。 ショット数とは、金型を使った成形の回数のことです。 どのくらいのショット数に耐えうるものであればよいのかを計算したうえで金型を製作します。 100ショット程度の耐久性で十分な試作品用の金型もあれば、長く大量生産するために100万回程度まで打てるものまで、金型の寿命はさまざまです。 コストパフォーマンスや金型の強度に対する考え方は企業によって異なりますが、量産型の金型の場合は、初期コストがかかってでも精度の高い金型を導入することをおすすめします。精度が高ければ製品の成形中に金型に無駄な力が加わらず、金型にひずみが発生するリスクを下げることができます。結果として金型の修理をする回数も減って金型を長く使えるようになるため、ランニングコストの削減が期待できるのです。 加えて生産ラインを停止する必要がないため、生産効率を高めることにもつながります。 また、金型の素材によっても耐久性は異なります。 ショット数が多い金型には金型鋼が使われることがほとんどで、耐摩耗性の高い素材、割れに強い靭性の高い素材など、目的に合わせて金型の材料を見極めることが大切です。

金型のメンテナンス

ショット数の寿命はあくまで目安なので金型の寿命を延ばすためには、日頃のメンテナンスが大切です。 成形加工後の金型には、成形材料から発生する汚れやガスが付着しており、これらをそのままにしておくと、汚れが硬くなって落ちにくくなり、空気中の水分と反応してサビや腐食を招く原因になってしまいます。 成形加工後には柔らかい布に洗浄剤を含ませて汚れを拭き取り、その後、サビ止め剤を吹きかけておけば、金型をきれいな状態で保つことができます。 表面をきれいに保つことは、金型の寿命を長くするだけでなく、製品不良の減少にもつながります。 また、金型を長期にわたって連続して使用するうちに、日々のメンテナンスだけでは落としきれない汚れが付着するほか、加工中に発生するガスによって金型が膨らんでしまう可能性があり、生産ラインを停止させなければならない事態にまで発展する恐れがあります。 ショット数によって頻度は異なりますが、定期的に業者に依頼し、分解洗浄や修理などのメンテナンスを行うことが大切です。

金型の修理

金型が破損するなどの異常が生じた場合には、金型の修理が必要になります。金型の修理方法について、実際の金型修理の事例をいくつかご紹介します。

丸棒カット金型の修理

長期の使用によって、上型の切刃が欠けてしまった際の事例です。修理方法は、欠けた部分に肉盛り溶接を施すものと上型の長さに余裕があれば、欠けた部分に合わせてカット形状を上に追い込む追い込み修理の2つがあります。金型を長期的に使用するという状況を踏まえ、追い込み修理で対応しました。

コアーピンの修理

コアーピンの先端が腐食によってやせてしまった際は細くなった際は、部分にセラミックコーティングを施して径を太くして対応します。

金型側面のかじり修理

コア型、キャビティ型の左右の側面にかじりが発生したケースでは、かじり部分を溶接修理し、その後突合せを確認して対応します。

金型の破損防止には監視が効果的

金型を長く使用するためには、日頃のメンテナンスが重要ですが、使い続けることによる疲労や摩耗による破損を完全に防ぐことはできません。 万一、このような金型の破損が起きた場合には、被害の小さい初期の段階で異常を発見し、生産ラインをストップすることが大切です。 異常の検知が遅れれば、金型の破損が大きくなり、修理だけでは対応できないケースにもなりかねません。 金型の新規作成にはコストと時間がかかり、その間の生産効率にも影響を与えてしまいます。 金型の異常を見つけ出すためには、金型監視装置が効果的です。 ウシオライティングの「PLUS-E」は、金型破損につながる残留物の存在や成形品のわずかなエラーを色と形で正確に識別することができます。 PLUS-Eは金型の監視だけでなく、不良品の混入や流出をも防ぐことができるため、金型を使った製造ラインのトラブル防止に効果を発揮します。 問い合わせページ

金型を長く良い状態で使うために

長期的に量産するための金型であれば、初期コストが高くても高精度で品質の高い金型を導入するほうが金型の寿命が長くなり、結果的にランニングコストを抑えることができます。 またどのような金型であっても日頃のお手入れや定期的なメンテナンスも欠かせません。 そして、金型の微細な異常を検知できる金型監視装置「PLUS-E」は、金型の破損を最小限に抑え、製品の安定した品質も監視することができ、生産ラインを見守る心強い存在となります。