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バイオプラスチックってなに?生分解プラスチックとの違いとは

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2020/09/01

バイオプラスチックってなに?生分解プラスチックとの違いとは
エコという言葉がすっかり根付いた今、世界で地球に優しい素材を使った「バイオプラスチック」が注目を集めています。 バイオプラスチックは、2019年6月に大阪で開催されたG20で課題に挙げられた「プラスチックごみによる海洋汚染」のほか、「プラスチックの廃棄処理」や原料である「石油の枯渇」など、その資源循環に関わる問題にアプローチできる有効な手段の一つとされています。 今回は、これから主流になる可能性があるバイオプラスチックの概要と特徴、生分解プラスチックと非生分解性プラスチックの違いについて解説します。

バイオプラスチックとは

日本バイオプラスチック協会によると、バイオプラスチックは微生物によって生分解される「生分解性プラスチック」及びバイオマスを原料に製造される「バイオマスプラスチック」の総称である、とされています。 バイオプラスチックは、以下のようなプラスチックが抱える問題の改善に貢献すると期待されています。

 ※出典:日本バイオプラスチック協会「バイオプラスチック概況

■プラスチック問題とバイオプラスチックのアプローチ
プラスチック問題 バイオプラスチックのアプローチ
プラスチック廃棄物の処理方法 焼却処理を生物処理に変えられるので、堆肥化・ガス化することが可能。
枯渇性資源の問題 プラスチックの原料を石油から再生可能資源であるバイオマスに切り替えることで、化石燃料への依存度を低下できる。
地球温暖化の問題 プラスチックの焼却時に発生する石油由来のCO2を抑制することができる。
海洋プラスチックごみの問題 生分解性プラスチックは、生分解性が高いため海洋汚染への影響を低減することができる。

バイオプラスチックの種類

前述したとおり、バイオプラスチックには「生分解性」と「非生分解性」の2種類があります。 それぞれの特徴を簡単にご紹介します。 生分解性と非生分解性の違いとは 生分解性とは、自然界にいる微生物の働きで分解される性質を指し、非生分解性は微生物の力では分解されないことを意味しています。 微生物の働きによって分解されるかどうかがポイントになることを覚えておきましょう。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチックは、微生物によって分解されるプラスチックのことで、最終的には水と二酸化炭素にまで分解されて自然界に循環されます。 埋め立てられた場合も水と二酸化炭素になるため、ごみとして溜まることのないプラスチックです。 生分解性プラスチックにはバイオマス由来のものだけでなく、石油由来も含まれます。

非生分解性プラスチック

非生分解性プラスチックは微生物によって分解されることはありませんが、燃やしても石油由来のCO2の排出を抑制できるという特長があります。 そのため、大気中のCO2濃度を上昇も抑えることができるので、地球温暖化の進行の防止に効果があると期待されていまるのです。

バイオプラスチック「MAPKA(マプカ)」とは

バイオプラスチック製品の一つに「MAPKA(マプカ)」があります。 マプカは、ポストプラスチック原料として注目を集めている環境対応性に優れた非生分解性の新素材です。マプカの特徴や用途をご紹介しましょう。

マプカの素材

マプカは、古紙を使った紙パウダーにポリオレフィン系樹脂をバインダーとして加えて、ペレット化したものから作られているバイオプラスチックです。射出成形、押出成形、シート成形、サーモフォーミングによる成形など、従来のプラスチックと同じようにさまざまな成形に対応できる汎用性の高い素材になっています。

マプカの用途

マプカは成形時の膨張や成形後の収縮が少ないことから、精密部品や電子部品、文房具、オフィス用品、ブラシなどのアメニティグッズとさまざまな製品に利用されています。 また耐熱性が高く電子レンジにも対応可能で、人体にやさしい非生分解性のバイオプラスチックであり、食品添加物の規格基準にも準拠していることから皿や箸、コップ、子供用の食器、食品パッケージなどにも使用することができます。 紙パウダーを51%含有するバイオプラスチックなので、繊維による補強効果で剛性が向上。レールやプロペラ、ファンなどにも適合しているほか、樹脂製品よりも振動が少なく、音も静かであることから家電ケーシングや反響ボードなどにも向いています。

マプカの特徴

非生分解性のバイオプラスチックであるマプカの主原料は紙であるため、廃棄時には紙製品として焼却処分することができます。 焼却時にも有害なダイオキシン類を発生させることはなく、これまでのプラスチック製品に比べCO2の排出量を約28%も低減させることができる非常に環境性能の高い素材です。 原料は不要となった使用済みの紙なので、古紙リサイクルの新たな用途としての側面もあります。 バイオプラスチックを使って量産成形するためには、新たに専用の設備を準備する必要がありましたが、マプカはこれまでと同じ成形機や金型を使うことができます。 「収縮性が低い」、「高い剛性を持つ」、「耐熱性を備えている」、という特長のおかげで、バイオプラスチックでありながら従来のプラスチック素材同様にさまざまな製品に成形することができるのです。

プラスチックの代替品として注目を集めるマプカは要チェック

バイオプラスチックは地球温暖化問題、プラスチックごみによる海洋汚染問題など、プラスチックが抱える問題の解決に貢献する鍵として、期待されている素材です。 生分解性、非生分解性などさまざまな種類がありますが、なかでも日本生まれのマプカは古紙を主原料としているため、廃棄時や焼却時などの諸問題にアプローチのすることができ、従来のプラスチック同様の強度や耐熱性を持ち合わせた素材です。 これまで利用してきた設備をそのまま活用することもできるため、今後ますます従来のプラスチックに代わる素材として大きな注目を浴びている可能性があるので、ぜひチェックしておきましょう。 ウシオライティングでは、マプカの主力販売先として多くのメーカーなどからご相談をいただいています。バイオプラスチックやマプカに興味のある人はお問い合わせください。 お問い合わせ