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【2020年版】未来の農業が現実に。「植物工場」の動向と課題

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業界・トレンド

2020/10/02

【2020年版】未来の農業が現実に。「植物工場」の動向と課題
工場で農産物を栽培する「植物工場」は長らく、「次世代型農業」や「未来の農業」として日本をはじめ世界各国で推進されてきました。
当初は技術や収益化の面で課題が多かった植物工場ですが、2020年現在、市場規模は拡大しつつあり、抱えていた諸問題も解決されつつあります。
今回は、ウシオライティングがLED照明の分野で関連深い植物工場を巡る動向をまとめました。

植物工場の市場規模は成長中

日本における植物工場の普及の取り組みの歴史は意外と長く、1970年代にオランダから輸入されたことが始まりとされています。それ以降、日本の風土に合わせた工場の設備の更新や品種改良、法整備などが行われてきました。

一般社団法人日本施設園芸協会が発表した「大規模施設園芸・植物工場 実態調査・事例調査」によると、植物工場の事業者数は年々増加しており、太陽光型・太陽光人工光併用型・人工光型のいずれの形式の工場でも2011年と比較すると2~10倍ほど施設が増加しています。

 ■国内の植物工場の推移
調査時期  太陽光型  太陽光・人工光併用型   人工光型
2019年2月時点    160箇所※   30箇所  202箇所
2016年2月時点  70箇所※  36箇所  191箇所 
2011年2月時点  13箇所  16箇所  64箇所
※2010年度以降の「太陽光型」は、施設面積がおよそ1ha以上で養液栽培装置を有する大規模園芸に限る。

密閉された空間で、LEDなどの人工光を活用して農作物を育成する「人工光型植物工場」が、日本では最も施設数が多く、今後も植物工場の普及を牽引することが予想できます。
今後の植物工場の推移には諸説がありますが、2025年には農作物の栽培だけではなく、プラントや設備なども合わせると6,500億円を超える市場規模になる見方もあるなど、これからも市場規模は拡大すると考えられています。

※出典:一般社団法人日本施設園芸協会「大規模施設園芸・植物工場 実態調査・事例調査」 https://jgha.com/wp-content/uploads/2020/01/TM06-1-30bessatsu1.pdf

政府が植物工場の市場参入を後押し

近年、顕著になっている天候不順の影響で露地栽培の農作物の収穫量や価格の乱高下が社会的な課題になっています。植物工場の「天候に左右されず、安定した供給が可能」という大きなメリットに着目した大手化学メーカーなどの他業種の参入が近年、増加しています。

その代表的な例が、2019年に三菱ガス化学が福島県の県営工業団地に延べ床面積8000平方メートルの日本最大級の植物工場の建設事例です。 脱酸素剤や各種樹脂フィルムなど、化学メーカーが持つ技術を植物工場に転用できるが大きな要因と考えられます。

政府も一貫して植物工場の普及を支援しており、各種補助金や助成金を設けるほか、税負担の軽減なども実施しています。このような流れを受け、今後も他業種からの植物工場の建設による農業参入は増加すると考えられるでしょう。

植物工場を巡る課題とは

日本施設園芸協会の調査によると、植物工場の半数以上が赤字と経営に課題を抱えている施設は少なくありません。この理由は、徹底した衛生管理が必要なことによる工場の建設費用が高く、電気代や各種償却設備のランニングコストなどの負担が大きいことが挙げられます。

 その一方で、植物工場の農作物の価格は、生産コストが低い露地栽培の作物と競合するため、コストパフォーマンスが悪いことが大きな原因と考えられます。また、農作物の価格を下げるには大量の農作物を栽培する必要があるため、大規模な植物工場を建設しなければならなくなる現状があるのです。 これらの諸問題を解決するために、中小規模の植物工場では露地では栽培が困難な「生薬植物」や「機能性植物」などの高付加価値な農作物に栽培品種を転換する動きも見られます。

特に機能性野菜は生活習慣病の予防などに効果が期待されており、生野菜のほか健康補助食品としても販売されるケースが増えています。 このような経営的な要素とともに、重要になるのが、設備導入や維持費用の低コスト化です。特にクリーンルームや光源の改良が、植物工場をより一層普及させる重要なポイントだといえるでしょう。

植物に悪影響を与える「紫外線」とLEDの関係性

植物の花芽形態の形成には、光の影響が大きいとされています。露地栽培では、光の取捨選択はできませんが、植物工場では光源の種類を変えて照射することで成長をコントロールすることが可能です。 例えば、赤色の光は植物が最も吸収しやすく、成長が早いとされています。その反対が紫外線に近い「青色」の光で、照射することで成長が鈍化し苦みが強くなる農作物もあるのです。人間も植物も紫外線にストレスを感じるのは同じなのです。

植物工場におけるLED照明の重要性もいち早く気付き、最適化を図ってきました。その結果、今では多くの人工光型植物工場にウシオライティングのLED照明が導入されています。植物工場のコストや環境面でとても重要なLEDについて、少しでも興味がある人はぜひお問い合わせください。

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