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原料チェックから搬送まで。「ペットボトル飲料工場」の生産の流れ

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2020/10/02

原料チェックから搬送まで。「ペットボトル飲料工場」の生産の流れ
ファクトリーオートメーション(FA)を実現するうえで、各製造工場の工程を正しく把握する必要があります。ペットボトルの飲料工場は、FAの余地が大きいとされる業界の一つ。今回はペットボトル容器を内製化している飲料工場の大まかな生産の流れについて紹介します。

原料の品質をチェックする事前工程:「受入れ・計量」

ペットボトル容器および飲料を製造する前に、飲料の元になる原料のチェックを行います。この作業を「原料の受入れ」と呼ぶこともあります。チェック項目は、各工場や製造する飲料によって異なりますが、一般的には下記の項目を確認することが多いです。

 ■検査項目(例)
1.原料が入ってる容器の損傷の有無
2.容器に原料が正しく封入されているか
3.異物混入の有無
4.異臭、異味
5.品目、数量の確認

上記の項目などをチェックシートで管理し、問題がなければ製造工程に入ります。原料の受け入れは目視などのマンパワーで行うことが一般的で、検査に合格した原料にQRコードが印刷されたシールを貼って管理する企業もあります。

QRコードを添付することで、原料の計量・調合時に人とシステムによるダブルチェックを行えるようになります。 受入れ作業が完了した原料はすぐに加工するのではなく、所定の貯蔵庫などに保管されます。この際、保管温度、日数、衛生状態などをシステムで管理することで、トレーサビリティを確保する企業が増えています。

計量作業では、決められたマニュアルに従って原料の重量を量ります。人による計量が一般的ですが、ミス防止のために先述したQRコードを使ってダブルチェックするケースも珍しくありません。

飲料(中身液)を製造する「調合・抽出」

原料を複数調合して飲料(中身液)を製造する「調合」を行います。また、コーヒーなどの場合は調合の前にコーヒー豆からコーヒー液を抽出すします(茶葉からお茶の液を抽出することも)。抽出の作業例を以下で確認しましょう。

■コーヒー豆の抽出例
1.計量済みのコーヒー豆を粉砕機に投入して砕く
2.ドリップ式の機械で抽出する
※粉砕豆にお湯をかけ、フィルターを通して抽出液を製造する

機械の構造は家庭用と大きく変わりませんが、抽出温度、時間、注入するお湯と豆の比率などはシステムで厳しく管理されます。このシステムは自動制御のことが多く、省力化が進んでいる工程でもあります。

抽出された飲料は、適正な配合や製造方法で配合されます。複数の飲料を製造している企業やメーカーから製造を請け負っている飲料工場では、あらかじめ指定された原料の量などに従って中身液を製造します。調合する原料は飲料の種類よって様々で、砂糖、酸味料、果汁、フレーバー、牛乳などがあります。

一度で調合する中身液の量はタンクによって異なります。なかには3万リットルの容量で1度の調合で500ミリリットル分のペットボトル6万本を製造できる大型のタンクもあります。

ペットボトルを製造する「ブロー成形」

飲料のペットボトルも自社で内製している飲料工場では、調合と並行して容器を製造する「ブロー成形」の工程があります。ブロー成形の大まかな流れを確認しましょう。

■ブロー成形(ダイレクトブロー成形)
1.ハロゲンヒータによって柔らかくした樹脂をパイプの形(パリソン)にして、金型に押出します。
2.型締め・冷却 金型を閉じてパリソンを挟み、ブローピンや延伸ロッドと呼ばれる棒状の機器からエアーを吹き出してパリソンを金型の形に広げます。
3.冷却 成形品を一定時間冷却し、固化します。
4.取り出し 金型を開き、ペットボトルの形に固まった成形品を取り出します。

飲料工場のなかにはペットボトルを内製せず、仕入れる業者もあります。その場合はブロー成形は行わず、調合・抽出した中身液を取り寄せたペットボトルに入れる充填工程に進みます。

中身液を容器にいれる「充填工程」

ペットボトルに中身液を入れ、キャップを締めるまでの作業を「充填工程」といいます。大量の中身液とペットボトルを捌くために充填工程はオートメーション化されていることが多く、最終的な確認や機械の操作のみ人が行うケースが一般的です。

充填工程では特に衛生状態が清潔に保たれており、人や部屋全体だけでなく、中身液も所定の条件で殺菌します。

仕上げ作業の包装・保管、配送工程

中身液を充填したペットボトルは、コンベアで包装の作業部屋に送られます。ラベルや賞味期限の印字などを行った後に、箱詰めされて配送されます。梱包作業は人力によるものが多く、FA(ファクトリーオートメーション)の余地がある重要な工程とされています。また、包装工程は外観に大きく影響を及ぼすので、最終確認も人の目で行われています。

ウシオライティングは飲料業界に強いFA機器メーカー

ウシオライティングはFA機器のメーカーとして、飲料容器にストローを貼り付ける「ストロー貼り付け機」やキズなどをチェックする「ビン外観検査機」や封かん機やラベル貼り機なども提供しております。
また、ペットボトルのブロー成形で熱源となるハロゲンヒータも各種取り揃えております。
飲料工場の幅広い工程に導入可能な製品を製造しています。FAでお悩みの人はぜひお気軽に相談してください。