赤外線ヒーターは幅広い用途で使用されており、今では私たちの生活になくてはならない存在となっています。そのような赤外線ヒーターを理解するため必要な知識が「光加熱」です。そこで今回は、光加熱の原理やメリットと種類などについてまとめました。
光加熱とは
赤外線ヒーターは光加熱を利用することで、対象物の温度を上昇させています。まずは、光加熱の原理とメリットについてみていきましょう。
光加熱の原理
物質を構成しているのは原子の固まりや分子であり、これらは常に振動を繰り返すことによって物質そのものの温度を保っています。
そして、この運動に一定の光を照射するとさらに振動が大きくなり、それに比例して発生する熱も多くなります。これが「光加熱の原理」で波長域を適切と設定することで、効率的に光加熱を行えるのです。
他の加熱方法と比較したメリット
加熱方法には、光加熱のほかにも熱風加熱や誘導加熱などがあります。しかし、光加熱はこれらの加熱方法と比べて多くのメリットがあります。
なかでも特筆すべきなのは「変換効率の高さ」です。変換効率が高いほどエネルギーが無駄にならず、また機器を小型化することができるためスペースの節約にもつながります。さらに一瞬で最高放射まで達するため、長時間待つ必要がありません。
そして、空気を媒介しないため排気が必要ないことも光加熱ならではの特徴です。近年では環境への配慮が各企業でも課題の1つとなっていますが、光加熱な環境を汚染せずに熱を発生させることが可能です。このことも、光加熱が幅広い分野で活用されている理由の一つです。
光加熱の種類と特長
光加熱の種類は多岐にわたります。ここでは、光加熱の種類と特徴について解説します。
光加熱の種類および概要
主な光加熱は「ハロゲンヒータ」、「遠赤外ヒーター」、「レーザー」、「クセノンランプ」の4つです。
まずは、これらの概要についてみていきましょう。
■光加熱の種類
名称
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特長
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ハロゲンヒーター
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微量のハロゲンガスを添加することによって、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。
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遠赤外ヒーター
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遠赤外線を物質に照射して分子の振動を活発することにより、温度を上昇させる。
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レーザー
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固体の原子や分子を励起させてエネルギーの高い状態にして、それがエネルギーの低い状態に戻るときの光を利用する。
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クセノンランプ
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アーク放電によってキセノンガスを励起させ、発光する放電ランプ。
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ハロゲンヒーターの特徴
ハロゲンヒーターのメリットは、放射エネルギーへの変換効率の高さです。約90%という変換効率の高さは、4種類の光加熱の中でも特に優れています。またヒーターの起動時間が短いのも特徴で、たったの1秒で立ち上げることができます。
さらに「イニシャルコスト・ランニングコストが安い」、「1000℃以上の高温まで加熱できる」、「ガラス越しでも加熱可能」、「クリーンルームでの使用に適している」なども大きなポイントです。
ただし、非金属加熱には適さないケースもあるので注意が必要です。
遠赤外ヒーターの特徴
遠赤外ヒーターはコストが安く、クリーンに加熱できることがメリットです。
また、ハロゲンランプ以上に非金属加熱に適しています。一方で、金属加熱、ガラス越しの加熱、半透明体の浸透加熱には適しておらず、放射への変換効率は約70%、加熱温度は約400℃でハロゲンランプと比べると高くはありません。
レーザーの特徴
レーザーのメリットは「高温加熱をほぼ無制限でできる」ということ、そして「起動時間が短くパルスも可能」です。さらに波長選択が可能なため、金属加熱、非金属加熱、ガラス越しの加熱、半透明体の浸透加熱のいずれにも適しています。
その一方で、放射への変換効率は高くありません。また取り扱いを間違うと失明する恐れがあるので、十分気を付ける必要があります。
クセノンランプの特徴
クセノンランプは、レーザーと同様で高温加熱やパルスが可能です。また、遠距離から照射できるのも大きなメリットです。ハロゲンランプとは違い破裂のリスクが高く、さらに高電圧を使用しなければなりません。そのため、注意点を守って慎重に取り扱う必要があります。
メリットの多いハロゲンヒーター
ここで紹介したように、光加熱には他の加熱方法にはないメリットが多くあります。光加熱が日常生活の中で幅広く活用されているのも、理にかなっているといえるのではないでしょうか。
そして、光加熱は主にハロゲンランプ、遠赤外ヒーター、レーザー、クセノンランプの4種類があります。それぞれの光加熱に異なるメリットやデメリットがあるので、それらの特徴をよく理解したうえで使用する必要があるでしょう。
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