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シミュレーターの活用事例【船舶、自動車、航空など】

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業界・トレンドノウハウ・ハウツー

2022/03/24

シミュレーターの活用事例【船舶、自動車、航空など】
仮想空間において、まるで現実のような体験が得られることから、VR(仮想現実)技術は、多彩な用途に使われています。
今回は、その1つとして挙げられる、操縦や運転などのトレーニング、シミュレーションにフォーカスし、そのメリットと、具体例についてまとめてみました。

メリット①:高いコストパフォーマンスと効果

人的コストや物理的制約によって実現が難しい、実践的なトレーニングやシミュレーションを、その場でスムーズに行えることがメリットだといえます。
また、実際にその場にいないと不可能な視点での体験、あるいは本来あってはならない誤操作によるミスなどの疑似的体験ができることから、高い効果が得られます。
また、より写実的な3D CG映像によるリアルな表現を取りいれた場合では、現場環境をさらにイメージしやすくするうえ、真新しさによる楽しみが学習意欲を高めるので、被験者は意欲的に取り組むことができ、結果として習得できるものも大きくなるでしょう。

メリット➁:リアルな疑似体験

ドライビング、船舶や飛行機の操縦は、現実では再現が難しい環境や危険な場所、あるいは責任がともなう行為などもあるので、リアルなシミュレーションは限られ、十分なトレーニングが行いづらいという問題を抱えることになります。
これらに対して、シミュレーターがソリューションを提供します。
疑似体験が可能な環境を構築し、実際と同じように操作することで、危険の事前予測やリスク低減といった課題を解消することができます。
ドライブシミュレータ-やフライトシミュレーターは以前からあったものですが、近年では、さらに再現性と臨場感を向上させることのできるVRが導入される傾向にあるようです。

活用例①:シミュレーター操船訓練 / 株式会社日本海洋科学

同社は、国内最大級を誇る海の総合コンサルタント企業として、独自の技術を活かしたシミュレーターや関連ソフトウェアなどを駆使し、海事コンサルティング・教育訓練を展開しています。
教育訓練では、限りなく実船に近い自社開発のシミュレーターで、出入港操船、機関故障による緊急操船、強風や強潮流下での操船などを、リアルで安全かつ、繰り返し訓練できます。
シミュレーターには13台のプロジェクターが使用され、9台が船から見える360゚の風景を、4台が床面に船の下方視界を投影します。これに必要とされた小型軽量、高解像度、高輝度などの諸条件を満たしたのが、Christieのプロジェクターでした。

活用例➁:全方位視野ドライビングシミュレータ / 一般財団法人日本自動車研究所(JARI)

JARIは、自動車に関する総合的な研究を行う組織で、さまざまな関連業界と連携して、エネルギー・環境・交通安全問題や低公害車の普及促進に関する研究を行っています。
同所には、広大な映像を表示する360°球面スクリーン、実車ボディ、動揺装置などを組み合わせた全方位視野ドライビングシミュレーターが整備され、市街地や高速道路など、あらゆる走行シーンを模擬運転できるうえ、そこから得られるデータが自動運転や交通安全に役立っています。
使用された12台のChristieプロジェクターは、シミュレーターに最適な高解像度で全方向設置対応の小型・軽量ボディ、さらに30000 lmの高輝度画像が日中の屋外環境を忠実に再現します。

活用例③:フライトシミュレーター

航空機などの飛行操縦訓練、搭乗体験をするための模擬装置で、近年では一部、アトラクションとしても利用されています。
古くは1920年代に開発されたようですが、いまのものとは異なる、いわば「モーション装置」でした。その後、「ビジュアル装置」として進化を遂げ、1970年代初頭に映像を利用するものが開発され、1970年代半ばにはコンピュータグラフィックスが利用されるようになったようです。
従来は2Dが一般的でしたが、いまでは民間旅客機のパイロット養成をはじめ、VR技術を利用した、よりリアルなものも普及しはじめています。

これから拡がる、VRを駆使したシミュレーターの活用シーン

360゚スクリーンを備えたもの、あるいは波や風の強さ、太陽の位置まで再現できるものなど、一般的にはなかなか知ることができない業界や施設でも、最新のVR技術を取りいれたシミュレーターが導入されています。
イニシャルコストや専門性の高さから、まだまだ普及しているとまではいえませんが、一部のアミューズメントスポットやイベントなどで採用されている例もあり、今後の技術やコスト次第では、より身近なものになると思われます。

シミュレーターとしての事例

ウシオグループの一員であるChristieは、シミュレーション分野でも、独自のプロジェクターや映像制御ソフトウェアを組みあわせ、ワールドワイドでソリューションを提供しています。
上記以外にも、導入事例の一部をウェブサイトで公開しているので、ぜひ、チェックしてみください。

インフラ分野のDX推進を支援する VRシステム / 国土交通省 国土技術政策総合研究所
未来カーによるバーチャルドライブ / ドイツ・コンチネンタル社
Christie recreates Iberia Express flight ※Christieのサイト(英語)に遷移します